高2冬、新入生見学の展示用に作ったゲームの企画書（のいちぶ）とテキストです。
川に浮かぶ灯籠をクリックして選択肢を選んで後日談を読むだけの簡単ゲーム。私はコンセプトとシナリオだけ担当。
今思うと稚拙が過ぎる内容だった。
①灯籠を選ぶ（クリック→外見の解説が出る→これにする？はいorいいえ）
②中身の解説が出る
③行動選択（おねがいを叶える・叶えない（燃やす？））
④ルート毎の後日談（結果）
⑤Tips解放
ピンクの灯籠
「みんなでたんじょうびパーティーできますように」とピンクのクレヨンで書かれている
＞叶える
・ある朝の会話
父親「夏恵、お誕生日おめでとう。今日は早く帰ってくるから、一緒にパーティーしようなぁ」
幼女「ほんと！？ ほんとのほんと、ぜったいよ？」
父親「はは、本当だよ。ケーキ買ってくるからね。さ、幼稚園に遅れるぞ。はやく着替えておいで」
幼女「うん！ やくそくだからね！」
・Tips：なっちゃんのにっき-A
8がつ20にち
パパとママとなっちゃんで なっちゃんのたんじょうびパーティーをした
いちごのショートケーキがおいしかった
パパがおいわいしてくれてうれしかった！
＞叶えない
・電話越しのパーティー
父親「ごめんななっちゃん。トラブルがあって帰れなくなった。ママとパーティー楽しんでな」
幼女「……うん、わかった。パパおしごとがんばってね」
父親「ああ、頑張るよ。本当にごめんな」
・Tips：なっちゃんのにっき-B
8がつ20にち
ママとなっちゃんでなっちゃんのたんじょうびパーティーをした
パパはおしごとでかえってこれなかった
パパがいなくてちょっとさびしかった
緑の灯籠
「全国優勝！」と2種類の筆跡で書かれている
＞叶える
・ダブルエース
ツンツン頭の少年「田中、ナイスシュート！」
サラサラヘアの少年「山本こそナイスパス！」
ツンツン頭の少年「この調子なら決勝戦もヨユーだな！」
サラサラヘアの少年「あはは、相手は去年の優勝校だから気合いいれていかないと」
ツンツン頭の少年「今年が最後の全国だ。――ぜったい優勝するぞ！」
サラサラヘアの少年「おう！」
・Tips：表彰状-A
優勝 私立秀皇学園高校
貴校は第99回全日本サッカー選手権大会において
頭書の成績をおさめたので
その栄誉を讃え ここにこれを表彰します
平成31年 8月23日
全日本サッカー協会 会長
＞叶えない
・ハプニング
ツンツン頭の少年「田中、大丈夫か？」
サラサラヘアの少年「骨が折れてるかもって。……検査しないことにはわかんないけどさ」
ツンツン頭の少年「骨折なら……っていうか、こんなに痛そうなのがすぐ治るわけないよな」
サラサラヘアの少年「うん……ごめんな、次は決勝なのに」
ツンツン頭の少年「心配すんなって。正直不安だけどさ、お前のぶんまで頑張るから」
サラサラヘアの少年「ああ……。応援してるよ」
・Tips：表彰状-B
準優勝 私立秀皇学園高校
貴校は第99回全日本サッカー選手権大会において
頭書の成績をおさめたので
その栄誉を讃え ここにこれを表彰します
平成31年 8月23日
全日本サッカー協会 会長
黒い灯籠
灯籠の側面が墨で塗り潰され、中で長い黒髪が燃えている
＞叶える
・女子ふたり呑み
ショートカットの女性「そういえば、彼氏とはどうなの？」
髪の長い女性「え、ああ……。別れちゃったわ」
ショートカットの女性「えぇー！もったいない！ イケメンなのに！」
髪の長い女性「だって、浮気されてまで付き合っていたくないもの……」
・Tips：あるニュース番組-A
今日午前9時ごろ、██市内のマンションの一室で遺体が発見されました。
遺体は住人の男性と見られ、死後9日ほど経っているもようです。
解剖が行われましたが、死因は未だ不明とのことで――
＞燃やす
・きまぐれ
熱い。熱い。どうして。呪いは完璧だったはず――
・Tips：あるニュース番組-B
今日午前9時ごろ、◯◯市のにて火災があり、木造3階建てのアパート約360平方メートルが全焼しました。
それにより住民など5人が緊急搬送されたほか、焼け跡から2人の遺体が発見されました。
火元とみられる部屋の住人と連絡がとれていないことから、警察は遺体の身元の確認を急ぐと共に出火の詳細を調査しています――
初回クリア時解放
・Tips：桃曽灯籠まつり
桃曽灯籠まつりは 色とりどりの灯籠が桃曽川を流れる、幻想的で伝統あるお祭りです。
白い和紙の張られた灯籠にろうそく、そしてお願い事を書いた紙を入れて川に流します。
桃曽は古くは「禱詛」と書き、神様に祈りを捧げ誓いを立てるお祭りとして今なお続いています。
――桃曽灯籠まつりチラシ裏面より一部抜粋
全クリア後解放・TIps：祈り呪う
禱詛の「禱」には「いのる」という意味があります。
では「詛」は。「ちかう」という意味がありますが――重要なのはこちらではありません。「詛」は「のろう」「うらむ」という意味があるのです。
つまり。このお祭りは本来「神の力を借りて呪いを成就させる」儀式であり、「神に祈りを捧げ誓いを立てる」というのはカバーストーリーにすぎぬのです。
人が神を信じきっているからこそ、自分の実力、偶然、その他もろもろを、神によるものと決めつけてくれているのです。
――私は願いを叶えるだなんて、ここ千年ほどしておりませんよ？
私、呪い専門の神ですから。
マア、その呪いも――気が乗らなければ、燃やしてしまうやもしれませんね。
（めっちゃ改行）
あ、数えななつくらいまでの幼子でしたら、願いを叶える気にならないでもないです。幼子は好きですよ。ななつまでは私の子、ですからね。
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